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CNS・研究コース・博士課程
大学院受験を検討している皆さまへ

 看護師のキャリアの中で、大学院入学に最適な時期というものは存在しません。自分の看護がこれで良いのだろうか、もっと良い看護を探求したいという気持ちがあれば、大学院進学の時期なのではと思います。このような臨床から生じた研究テーマをもつ方を歓迎します。
 大学院生として学業に専念できれば最も良いのは言うまでもありませんが、様々な理由で社会人学生を希望する方も多いでしょう。私自身も諸事情により社会人学生として大学院に入学しました。振り返ってみて「社会人学生として完遂できた理由」を考えると、主体性と計画性、そして何よりも家族や職場の人々の理解と協力、志を同じくする大学院生といった人々の存在が大きいと感じています。学位取得までの過程を通して、これらの人々に恵まれ支えられた事によって、人としても成長できたと感謝しています。皆さまのこれからの挑戦を心から応援します。
 私がこれまで一番長く取り組んできたのは、小児期発症の慢性疾患をもつ子どもへの看護です。乳幼児期の看護・医療がその子どもにとって本当に良かったのかは、その子どもが10代20代になってから初めてわかる事も多々あります。「成人後を見据えた小児看護とは」を大学院で学びつつ、皆様と共に成長する事が出来れば幸いです。
                           小児看護学 教授 丸 光惠

小児看護のエキスパートを目指す高度実践看護コースの紹介(修士)

本コースは、小児看護専門看護師教育課程の認定を受けています。2021年12月現在、修了生のうち33名が、小児看護専門看護師の認定を受けています。

高度実践看護では、以下の3つの能力の育成に力を入れています
 ①子どもを一人の人として尊重するPerson Centered Care
 ②温かな思いやりのあるケアを長期的な視点を持って展開する実践力
 ③こどもをめぐる諸問題に関する情報収集能・分析力と臨床課題の解決に資する研究力 


***コースの概要***
 子どもと家族・学校・地域社会の有する複雑高度な問題を解決する小児専門看護師を目指す方を対象としたコースで、2年課程です。1年次は通年で座学、1年次後期から2年次の1年半は実習と実践に基づいた研究(学位論文)を行います。
 近年の高度実践看護師の臨床機能強化に対応すべく、いわゆる3P科目(Pharmacology薬理, Physical Assessmentフィジカルアセスメント, Pathophysiology病態生理)を追加しています。看護師の役割機能と患者の生活上のニーズを中心にカリキュラムを組み立てています。※ミニドクター養成ではありません。

***主な実習場***
 兵庫県こども病院や県内の社会福祉施設等で実習を行っています。兵庫県立こども病院では2022年3月現在、4名の小児看護専門看護師の皆様に、臨地実習指導者・非常勤講師として本学の大学院教育を担っていただいております。また、教育担当次長様、各病棟師長様にも多くのご指導を頂いている他、必要に応じて様々な学習課題についての相談を受けてくださいます。小児看護の専門性だけでなく、専門看護師としてのProfessionalismを現場で学ぶ事が出来ます。
 2年次以後の実習では、教育やコンサルテーションの実際を展開しながら学びを深めます。社会人学生の場合は、小児看護専門看護師が配置されている病院であればご自身の所属施設で実習する事も可能ですのでご相談ください。

***特色ある教育内容***
 ①理論に基づいた看護:看護理論を基盤として、神戸市看護大学CNSコース、本学母性看護学CNSコースの学生と共に、小児の発達理論など、子どもに関わる理論を学ぶことができます。自ら経験した事例について理論を用いて分析試み、理論的思考を養います。その他、選択科目として家族看護に関する理論も学ぶ事が出来ます。※他大学・本学の学生は各年度により履修学生数は異なります。

 ②ヘルスアセスメント技術の強化:初代教授片田範子先生の時代に、米国講師を招いて開発した兵庫県立大学オリジナル教科書とビデオを用いて、1年次前期に小児のヘルスアセスメントの基礎を学びます。後期の実習では、実習事例を通して実際にアセスメントを行います。

 ③臨床薬理・看護診断力の強化:臨床薬理入院期間が短縮され、高度・複雑な医療を在宅や学校・地域で継続する必要があります。その中で看護師には処方薬の服用回数・量に関するアセスメントを行い、処方の適切性について医師へとフィードバックしたり、処方の変更を提案する事が求められます。1年次後期の実習事例の分析と共に、主要診療科の医師の診察見学や病棟回診等のシャドーイングと講義を通して臨床薬理と判断力の強化に努めます。実習中は、定期的に学内教員との演習を行い、判断過程の言語化を図ります。

 ④兵庫県立こども病院専門看護師らによる実践力強化:専門医のシャドーイング・診察/相談場面の見学も含み、多様な場面から課題を有する小児と家族に対する専門看護師の役割・機能を学びます。質の高い直接ケアだけでなく、多職種との連携、医療チームへのコンサルテーションなど、実際の場面を通して具体的に理解できます。学生の学習目標に沿って患者を選定してもらい、CNS学生への経験豊富なCNSによる実習内容の振り返りや相談など、専門看護師としての態度や姿勢なども含めて指導を受けることができます。

***学位論文について***
 小児看護専門看護師として、どのような臨床の問題を解決したいと考えているのかが、学位論文を進める上で最も重要な事となります。このホームページを見ておられる方の多くは日々の臨床の中で「もっといい看護がないか、を感覚ではなく、理論に基づいて展開し、多職種にも看護師として提案出来たら」と考えているのではないでしょうか?是非その内容を文章に書き留めておいてください。それが研究(学位論文)への第一歩となります。大学院の教育課程を通じて、皆さんの「臨床への思い」が、研究計画書から学位論文へと発展してゆく過程を学ぶ事が出来るでしょう。研究経験が全くない方でも系統的・段階的に学習できるように工夫しています。

***過去に研究コースを修了している方(修士号取得者)へ***
 今後の高度実践看護師に求められるのは実践の言語化・可視化・看護の効果検証能力です。目で見ることができない多面的な現象を多く扱う小児看護領域では、大変難しい課題を要求される時代となりました。良質の研究論文を精読・分析し、エビデンス統合に基づいた根拠ある小児看護を探求できる看護師として、研究コースを終了していることは強みになるでしょう。また修了された研究コースの単位の読み替えができる科目があれば、本学では履修しなくても良いので、より専門科目に集中できる時間を確保する事ができるでしょう。
 一方、近年はエビデンスの統合に関する方法論が急速に進化しておりますので、修士論文を投稿していない方、修了後に院内研究程度の研究経験に留まっている方の場合は、研究方法に関する知識の学び直しが必要と考えて下さい。
 専門看護師コースの学位論文は、自らの実践内容をデータにした事例研究等も可能ですが、事例研究や10例以下の質的研究は原著論文として採択されにくいのが現状です。個別性の高い事例を対象とすることの多い高度実践看護コースの修士論文として、「学術誌への投稿に耐えうる研究課題・デザイン」に取り組んでいただければと願っています。

***社会人学生を検討している方へ***
※2021年度はCOVID-19感染に関する学内のガイドラインに基づいて、対面またはオンラインで学習しています(オンデマンド等の配信はありません)。学内で履修する小児看護の科目・論文指導・面談等については、学生の希望や学習状況に応じてオンラインでの指導を行っています。また17時以降、土日のオンラインでの面談指導についても、状況に応じて実施しています。
 高度実践看護コースの必須科目では、事例を基にディスカッションする、事例を分析するといった学習方法を大切にしています。臨床と大学院の間を行き来する社会人学生は、大学院の学習内容に対する動機や意慾が高く、抽象的な内容のみでは満足しない傾向にあります。原理原則を自らの経験事例を基に具体的に考える事が可能な為、日々のケアへの応用力だけでなく、より良いケアを目指した現場改革案を創出する事にも優れていると感じています。
 社会人学生に最も必要なのは「職場(と家庭)の理解」と、じっくり腰を落ち着けてレポートや研究論文を執筆するための「時間の確保」です。1年次後期(10月~2月)からの実習期間には、必須・選択科目を履修する必要があります。社会人学生として博士前期課程(修士)を2年間で修了することは実質不可能ですので、ご希望の方は長期履修制度をご検討ください。また学位論文の最終段階(11-1月)では、論文執筆のみを考える事ができる時間的・物理的環境を確保できるようにご準備ください。

高度実践看護コースのスケジュール例と修了生のメッセージ

***専門看護師コース2年間のスケジュール例***
1年次前期:必須科目等の履修を行いながら、実践および学位論文テーマを深める。夏休みに文献検討(Scoping Reviewの方法論を用いた文献検索・分析)を集中的に行う。
1年次後期:必須科目等の履修と平行して専門科目の演習と週2日程度の実習
年明けごろから研究計画書の作成・倫理審査委員会への申請準備

2年次前期:実習と平行して学位論文の研究を進める。学内倫理審査通過(必要に応じてデータ収集機関等での倫理申請)→データ収集開始、夏季休業期間にデータ収集終了
2年次後期:分析・論文執筆、年内に副査より指導を受ける、1月に審査会、2月修正後に本論文提出、2月末から3月第1週に論文発表会

CNSとして活動する修了生からのメッセージ
修士12期生 金子恵美さん(国立病院機構福岡病院)
 
  外来に所属して専門看護師の活動をしています。小児アレルギーを中心とした外来なので乳幼児期から治療を続けながら成長している子ども達に出会うことが多いです。そのため、子どもの病気体験や理解をみながら病気や治療についての説明をしたり、治療や管理に関する技術を身につけるための練習をしています。そして、子どもの気持ちを尊重できるように子どもと家族、医療者、学校(園)と話し合いを重ねながら連携や調整を図っています。また、病棟と外来が円滑につながるように小児病棟のラウンドをしています。病棟では子ども達の苦痛が軽くなり安心を感じながら入院生活が過ごせるように、そして、治療意欲が高まるようにスタッフとケアを考えています。
  スタッフが看護場面で難しさを感じているときは受け持ち看護師に歩幅を合わせながら専門分野で協働できる部分を伝え、子どもにとってのより良いケアや環境作りに取り組んでいます。専門看護師として活動を始めてからは、スタッフと一緒に最善のケアを追求できる実践活動がより楽しくなりました。また、子ども達にかかわる関係職者と共に活動するなど実践の場が広がったことも嬉しく思います。
 

研究コースの紹介(修士・博士)

研究コースでは、以下の3つの能力の育成に力を入れています
 ①子どもを一人の人として尊重するPerson Centered Care
 ②温かな思いやりのあるケアを長期的な視点を持って展開する実践力
 ③こどもをめぐる諸問題に関する網羅的情報収集能力とエビデンスの統合力、およびそれらを基盤とした課題解決に資する研究力 


 研究コースでは多くの大学院生が社会人学生です。小児看護学領域の科目(学位論文を含む)については、できる限り両立が図れる様、ご希望に合わせてZOOM等を利用したり、17時以降や土日にも指導を行っています。またできる限り学生自身が、時間的・物理的(作業量等)な見通しがつくように指導をしています。
 学位論文の学習過程全般を通して、子どもへの看護について緻密な検討を行い、研究成果の臨床還元を目指します。指導教員は質的・量的デザイン双方の指導が可能です。デザインによっては副指導教員、外部講師等の専門家の指導を適宜受けられるように配慮します。

***博士前期課程(修士 2年課程)***
 子どもと家族・学校・地域社会の有する課題についての高度な専門知識を習得し、看護理論や研究方法を段階的に学びます。日々の臨床の中で「もっといい看護がないか」と考えている事があるかどうかが重要です。臨床から生じたテーマをお持ちの方を歓迎します。
 研究経験が全くない方でも段階的・系統的に研究を学ぶことができる様に工夫しています。修士論文の執筆過程を通して、小児看護の実践に寄与する研究能力を自然に身に付けることができるでしょう。
 修了後は、教育・研究職、また臨床において実践、研究をさらに探求したい方を対象としたコースです。修士課程の学位論文執筆を行いながら、新たな研究課題を見つけた方は、修了後そのまま博士課程に進学する事も可能です。

***博士後期課程(博士 3年課程)***
 修士修了後、研究実績に乏しく、研究について改めて学び直したい方も含め、段階的に学習が深められるように工夫しています。子どもと家族・学校・地域社会に関する高度な研究能力およびその基盤となる豊かな学識を養い、自立した研究者の育成を目指しています。小児看護専門看護師として高度な実践を評価したり、新たな介入方法を開発したい方、基礎・現任教育に携わりたい方を対象としたコースです。

※本学の博士後期課程では未発表論文で審査を行っているため、修了後1年以内に学位論文を学術誌に投稿する事が必要です。投稿までをサポートするために客員研究員(費用負担無)となることをお勧めしています。学内のリソースを使いつつ1年以内の投稿を目指しましょう。
※副論文は学位申請に必須ではありません。本論文執筆のみに集中できます。

研究コースのスケジュール例と在学生・修了生のメッセージ

***博士前期課程(修士 2年間)のスケジュール例***
1年次前期:必須科目等の履修を行いながら、実践および学位論文テーマを深める。夏休みに文献検討(Scoping Reviewの方法論を用いた文献検索・分析)を集中的に行う。
1年次後期:必須科目等の履修と平行して研究計画書の作成・倫理審査委員会への申請準備

2年次前期:選択科目等の履修と平行し、学位論文の研究を進める。学内倫理審査通過(必要に応じてデータ収集機関等での倫理申請)→データ収集開始、夏季休業期前にデータ収集終了
2年次後期:分析・論文執筆、年内に副査より指導を受ける、1月に審査会、2月修正後に本論文提出、2月末から3月第1週に論文発表会

***博士3年間のスケジュール例***
1年次前期:研究に関する必須科目等の履修を行いながら、研究テーマを深める。夏休みに文献検討(Scoping Reviewの方法論を用いた文献検索・分析)を集中的に行う。
1年次後期:研究計画書の作成・発表・倫理審査委員会への申請

2年次前期:学内倫理審査通過(必要に応じてデータ収集機関等での倫理申請)→データ収集開始
2年次後期:データ収集終了→分析開始(質的研究の場合、データ収集と同時並行の場合もある)

3年次前期:論文執筆 夏休みに追加の文献検討(文献検討部分のUp-to-date
3年次後期:副査による事前審査(11月まで)→論文提出・プレゼン準備(12月)→本審査(1-2月)→修正論文提出・発表会

博士後期課程 在学生からのメッセージ
菅野由美子さん(神戸女子大学小児看護学 講師;兵庫県立大学看護学部卒 同大博士前期課程修了)
 
 私が博士後期課程に進学して一番印象に残っていることは、看護の実践を学問へとつなぐ大切さと、奥深さを再確認したことです。博士課程では、先生方や仲間とディスカッションする中で新たな発見や違う見方に気づく経験をし、研究を通して看護実践を探求するプロセスや研究的視点を指導いただく中で、私が知りたいと思っていたことが「わかる楽しさ」やそれを「人に伝える」ことの大切さを実感しています。私もまだまだ学習の途中ですが、看護の実践を“つなぐ”こと、私たちにできる一歩を一緒に踏み出してみませんか。
 
博士後期課程 修了生からのメッセージ
2021年度修了 三宅一代さん(社会福祉法人芳友 共育支援室)
 

博士論文テーマ:地震に対する重度障がい児の心身の反応と家族や多職種と共に生活適応に向かうプロセスに関する質的記述的研究:12事例の家族と多職種への訪問調査より

 私が博士後期課程に挑もうと思ったきっかけは、大学教員として、私に奥行きがなければ学生の学びを支えられないと思ったからです。本学での学びは、ただ単に緻密な研究計画をたて、研究を遂行し、論文にまとめるというゴールに向かうだけだはありません。このプロセスで、様々な背景を持つ同級生や先生方と共に、今まで知りえた現象を更なる学びへと落とし込み、「分かる楽しさ」と「分かる苦しさ」を同時に味わいました。
 私は、教員と学生、看護師と学生、学生のみと様々な学びの立場を経験をしました。これから挑もうとする方々に言えることは、博士課程での学びは、時間があればいいのではなく、先を見通して自らに時間を有限のものとして与える、という事だと思います。その見通しを指導教員と共に明確にし、歩むことが最短で、最大の効果を生むことにつながると思います。
 

出願検討時から入学式までのアドバイス

出願準備について
※受験前に指導教員との面談が必要です。(詳細は入試要項をご確認ください⇒入試情報
希望する実践領域や学位論文テーマ、社会人入学をご希望の場合は履修期間等についてご相談ください。

博士前期課程(修士):専門学校・短大卒業の場合、出願前に受験資格審査を受ける必要があります。詳細は入試要項参照
博士後期課程(博士):論文博士の制度はありません。出願には修士の学位が必要となります(修了見込みでも可)。

 小児看護学は新生児から思春期まで幅広い年齢層の様々な健康状態を対象とする学問領域であり、様々な専門領域があります。大学院出願を検討されている方との出願前面談では、専門性や臨床・学術的興味と教員の専門性が適合しているかどうかを一緒に検討します(入試要項をご覧ください)。教員の詳細なプロフィール・各種の活動については下記の教員の研究活動の紹介をご参照ください。
   ※すべての大学院に共通する事ですが、異動や海外在外研究員等により、履修期間中に教員が不在になる場合もあります。長期の場合は代替教員や遠隔指導等を行う事となりますが、自律的に学習を進められる方を求めます。 

受験準備について
大学院の入学試験科目は専門科目と小論文です。
専門科目:小児看護に関する専門知識と共に、自らの臨床経験に基づいた看護観・論理的思考について問う問題を出題されます。
小論文:英語の長文読解も含まれます。過去問は閲覧可能ですので、受験勉強の参考にしてください。

英語が苦手、英語学習がお久しぶりな方へ
 まず初めに申し上げたいのは、大学院の学習において「最も大切なのは語学力ではなく、小児看護に対する課題意識や臨床から生じた疑問」だとという事です。これらが自分自身の中にしっかりとあれば、大学院での学習を通して語学力は間違いなくついてきますので、心配しすぎないでください。
 入学後は多数の英語論文を読む必要があるため、DeepLなどの機械翻訳を上手に活用している学生が多いです。電子書籍であれば、ブラウザの翻訳機能を用いて、英語の原書でも簡単に日本語に変換して読む事ができます。英作文についてはGrammerlyなどの校閲ツールの使用も推奨しています。以前に比べて英語論文の読解、英作文のハードルは低くなっていると感じています。
 私(丸)は米国留学前に、「医学英語の読み方」に関する書籍を一冊購入しました。関係代名詞や接続詞でつないだ長い文の読み方、論文特有の語彙(Subjects が‟対象者″と言う意味、高校英語では‟科目″)などの事前準備が、どれほど大学院での学習時間を節約した事でしょう。先述したDeepLも日々賢くなっているものの、学術論文の英文法や語彙は、これらの機械翻訳では誤訳が生じる事も多々あります。誤りを見つけることができるレベルの英語力が必要となります。今は私が書籍を購入した時代よりも、もっと良い書籍がたくさん出版されていると思います。自分の教科書を見つけてみてください。英語論文の例文が多く、解説が詳細なものが良いと思います。
 語学に王道はありません。受験が終わっても英語学習は継続しましょう。帰国子女の方以外は、大学院生生間で語学力に大きな差がある、と感じたことはありません。大学院卒業時には、少なくとも英語論文読解については自信が持てるようになると思います。

合格後から入学までの準備について
 実習や学位論文についての方向性について面談を行い、入学前の不安や疑問の解消に努めます。履修科目や履修計画については入学式後の面談で決定しますので、学習したい内容や学位論文のテーマ等について、より具体的に情報収集しておいてください(所属施設での倫理審査プロセスや、休職中でもデータ収集が自施設で可能かなど)。
 博士後期課程入学予定の方と、過去に研究コースを修了している高度実践看護師コースの方は、近年急速に進化・普及している「エビデンス統合の方法論」(システマティックレビュー)に関して、学習が必要な内容を明らかにしておく事をお勧めします。詳細はそれぞれの準備状況をお伺いした上で、参考図書などをご紹介することも可能です。合格後に面談の機会があれば幸いです。
 その他入学までの間、ご質問・相談があれば対応しますので、お気軽にご連絡ください。 「ケアをする人はケアを持って育てるべし」という兵庫県立看護大学の教育方針に則り、学生一人一人を大切にしながら教育を行っています。

大学院指導教員の教育・研究・社会貢献活動等の紹介①


教授 丸 光惠
 研究者情報  科学研究費獲得状況
        思春期看護研究会  育児ストレスIndex AYA世代がん情報サイト

 千葉大学 看護学部卒 国立国際医療センター小児病棟看護師
 アラバマ大学バーミンハム校(米国)看護学部 小児看護学専門看護師(Clinical Nurse Specialist)/ナースプラクティショナーコース(Pediatric Nurse Practitionar)修了
 同大博士課程(母子看護学)修了 母子看護学博士
 北里大学 東京医科歯科大学にて小児看護専門看護師課程の指導経験を有する 

科学研究費等による研究課題
主任研究者
 宗教に配慮した外国人医療の在り方に関する研究

共同研究者
 性・生殖の課題を有するAYA世代の小児がんサバイバーに関する研究
 小児期発症の慢性疾患患者の成人移行期支援
 子育て期にある家族への禁煙プログラムの開発

教員の研究等の活動歴と指導可能な研究テーマ

専門知識は入学後に丁寧に教授します。大学院生の資質として、子どもに対して温かく思いやりのある方。真面目な方を希望します。以下に直接関係しないテーマでも指導可能な場合もありますので、ご相談ください。
①10代の慢性疾患患者・移行期医療に関する研究
 小児期発症の慢性疾患患者が10代になると、セルフケア不足から病状が悪化するという事例を経験し、「病気をもちながらも健やかな成長発達を遂げるには」をテーマに研究を行ってきました。プロジェクトメンバーである東京医科歯科大学、北里大学病院、成育医療センター、千葉東病院の看護師を中心として思春期看護研究会を発足させ、2020年には社団法人としました。移行期支援に関するガイドブックを日本でいち早く発刊しています。プロジェクトメンバーの看護師らは、全国に7箇所ある移行期医療センターの設立やメンバーとして関わっています。2009年と2020年に移行期支援の実態に関する全国調査を行っており、今後の支援のあり方について提言につなげられればと考えています。小児期発症の慢性疾患については多様な人的ネットワークを持っていますので、在宅医療も含めて様々なテーマについて指導可能です。

②思春期・若年成人期発症のがん患者・サバイバーに関する研究
 ①で紹介した思春期看護研究会の活動を通して、AYA世代がんを深く掘り下げたいと考え、米・英・オーストラリア・イタリアのAYA世代がん・サバイバーに関する支援体制の状況についてフィールド調査を行いました。このプロジェクトをきっかけに「AYA世代のがんと医療を考える会」の設立メンバーになりました。会の設立と同時期に厚生労働科研で全国調査(主任研究者 堀部敬三先生)の看護師調査班のメンバーとして、日本のAYA世代がん看護の実態調査に着手しました。AYA世代がんは希少ですので、臨床の蓄積がしにくい現状があり、臨床還元性の高い看護研究が望まれてます。この世代の研究テーマの場合、がん看護学の先生に副指導をお願いする予定です。また国際的な何かをされたいと言う場合、英米豪イタリア関連のテーマを受け入れたいと考えています。

③看護教育のグローバル化に関する研究
 私自身は開発途上国での実践経験はありませんが、米国留学中はPediatric Nurse Practitionerコースの学生として極貧地域の学校保健・思春期のヘルスプロモーションを学びました。先進国の中で貧困にあえぐ人々・こどもの状況を見て、自分とは異なる状況・考えの人びとに対して「寛容になる事」や「その人の立場に立つ事」の難しさを実感しました。
 2009年より国際看護開発学(国際的な人材開発)に関わり、外国人患者への対応能力強化を目指した看護専門職英語の教科書を開発し、Amazonで購入できるようにしました。2017年からは三菱財団の助成を受け、宗教の中でも医療と抵触する事項の多いイスラム教徒の看護について研究を開始しています。イスラム教を切り口に外国人患者・在留者の保健・医療・看護・福祉の問題について探求し、看護基礎教育の中にも取り入れたいと思います。
 このような多様な文化的背景をもつ子どもへの看護に関連したテーマについては、内容・学生の希望により、外部の教員(副指導)や海外の先生方のお力も借りながら指導します。多文化共生関連ではインドネシアなどASEAN諸国関連のテーマを受け入れたいと考えています。

④小児期発症の慢性疾患患者の養育者・養育ストレスに関する研究
 初めて大学教員となった時の上司(千葉大学看護学部 兼松百合子先生)の研究プロジェクトに参画し、日本版育児ストレスインデックスの開発に関わりました。この研究を通して、学んだことはたくさんあります。臨床で出会う子どもの母親は「多重役割を持つ一人の人」であるにもかかわらず、「○○ちゃんのお母さん」と呼びかけ、「母親」としてしか見る事ができていない自身にも気づかされました。
 育児ストレスインデックスは子どもと親の側面に分かれ、さらにそれぞれが複数の項目で構成されています。このインデックスはその後、大学院生の様々な先天性疾患・小児期発症慢性疾患の調査で繰り返し使用され、彼女らの論文指導を通して、自分自身も養育者のストレスを多面的にとらえて支援する力を養ってきたように思います。その後、兼松先生の研究グループでShort Form(短縮版)も開発され、虐待予防などを目的にした地域保健活動に役立てられています。元々は米国で開発された日本版インデックスは1990年代に開発してから30年になろうとしており様々な見直しが必要となっていますが、数多くの国際比較研究でも使用されています。学位論文での使用も可能です。
 家族の多様化により現代社会には血縁関係のない親子、一人親家庭、などが増加しており、養育者個人へのアプローチのみでは解決できない課題を持つ子どもが目立ちます。養育者・養育ストレスに関係した研究テーマの学生には、学内外の社会福祉・教育関係の副指導教員と共に指導したいと考えています。

※2022年3月更新

大学院指導教員の教育・研究・社会貢献活動等の紹介②


准教授 本田 順子
 研究者情報  科学研究費獲得状況 Note幼稚園・保育園コロナ対策

 神戸大学大学 医学部保健学科卒 同大医学部附属病院こどもセンター看護師
 同大博士課程(家族看護学)修了 保健学博士
 神戸大学にて家族支援専門看護師課程の指導経験を有する 

科学研究費等による研究課題
主任研究者
 慢性疾患の子どもと家族の役割移行を支える多職種協働プログラム開発

共同研究者
 ワークファミリーバランスを高める保育と地域保健システム開発
 看護実践過程に基づく人工呼吸器ケア教育支援モデル開発
 訪問看護師のための家族看護オンライン学習プログラム開発
 看護実践の臨床知を言語化するリフレクション教育プログラム構築
 終末期患者家族の集中治療後症候群リスクアセスメントツール開発
 特定妊婦・要支援家庭への支援におけるICTツール活用と効果検証
 COVID19に関する社会的スティグマ支援

教員の研究等の活動歴と指導可能な研究テーマ

①病気や障がいもつ子どもと家族に関する研究
子どもだけではなく,子どもを含む家族を1つのシステムとして捉えた研究をしています.
最近では,子どもが成長するにつれ,家族から子どもへセルフケアを移行していく過程での親子の相互作用やその移行を支えるために必要な看護・医療について多職種とともに探求することに挑戦しています.現在まで,小児だけでなくあらゆる発達段階の患者とそのご家族に関する研究に携わってきました.家族看護に関する研究には幅広く対応可能です.

②小児看護,家族看護の現任教育に関する研究
病院や訪問看護ステーションなどで働く看護師を対象とした小児看護や家族看護の教育ツール,教育プログラムの開発と実践をしています.eラーニングや高性能シミュレーターを使い,専門看護師や医師と協働して取り組んでいます.

③専門看護師の活用に関する研究
2020年にMBAを取得しました.組織開発,人材育成など経営学的な視点から,看護師のダイバーシティマネジメントの研究をしています.たとえば,小児専門看護師の実践能力の言語化や組織での活動の戦略などに興味のある方は,看護学だけでなく経営学的視点も取り入れながら一緒に研究しましょう.
上記以外の研究テーマについても柔軟に対応いたします.尺度開発を含む量的研究,インタビューや参加観察などの手法を用いた質的研究,量的研究と質的研究を組み合わせたミックス法,エスノグラフィーなどの研究経験がありますので,テーマに沿った研究手法を探求しましょう.

※2022年4月更新